研究開発 Research

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株式会社SeedBankは、「単離」、「培養」、「保存」の技術に特化した研究・技術開発に注力し、藻類研究の根本から支えます。

分離:珪藻、緑藻、褐藻。ほとんどの微細藻類を分離し、無菌培養する技術。

繁殖:分類分離された微細藻類を研究用の少量培養から産業用大量培養までの技術。

保存:一旦分離された種は、休眠細胞と呼ばれる植物の種のようなものを作らせ半永久的に保存すること、また、必要に応じ蘇らせる技術。

単離+培養+保存=∞

微細藻類の成長条件を少しずつ解明することに基づき、農水業、工業、環境に有用な培養レシピ―の開発に一生懸命研究を続けております。

 

応用と発展

 

水産飼料

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当社の研究重心の一つになる重要な事業である。水産業における産業価値の高い甲殻類や二枚貝類の餌は珪藻であることは知られている。しかし、特定な珪藻種を求める水産物(特に幼生)もかなり存在する。原産地などから入手した土壌・海水サンプルから珪藻種を分離し、各水産物に最適な餌を安定的に提供するシステムの開発を目指しております。
例えば、近年、「沿岸浅海域の主要な一次生産者であり、アワビ類など多くの底生生物の餌料となっている付着珪藻の群落は、付着形態による増殖速度と光に対する増殖特性の相違に応じて変動すること、遷移の進行過程は特に光条件と植食動物の摂食圧により大きく変化すること」、「付着珪藻群落の変動とアワビ類の初期生態との間には密接な関係があること」が明らかにされた。このような付着珪藻群落と種苗の初期生態の相互関係は、ナマコ種苗など他の水産養殖種の水槽内の付着珪藻板上においても生産者らによって観察されており、ノウハウとして継承されてきている。このようなノウハウを分析し、普及可能な技術として具体化するためには、付着珪藻板の群落の構成種を培養し、種苗の成長に貢献する餌料藻類を選抜するとともに、選抜された好適餌料種の簡易培養技術を確立する必要がある。そこで、京都大学の保有する新規餌料用微細藻類の培養技術、株式会社Seed Bankが有する各種珪藻類の簡易大量培養技術を生かして、新規餌料藻類開発技術を利用することによって、種苗生産水槽中の付着珪藻などの藻類から餌料生物として好適な藻類を培養株として普及することが可能になる。特に、ナマコ種苗生産において、着底から体長3 mmまでのナマコ種苗の成長を促進する新規餌料の開発は、全国のナマコ種苗生産で問題となっているシオダマリミジンコによる大量減耗の軽減を通して、ナマコ種苗の安定生産につながる可能性がある。
初期餌料藻類の選抜方法においては増殖速度と、細胞形態、栄養成分を指標に、有用な微細藻類餌料を選抜する。選抜された餌料藻類の細胞形態や栄養成分と、給餌対象水産生物の成長の相関を明らかにすることにより、初期餌料の微細藻類に求められる特性を明らかにする。
ナマコの種苗生産現場での利用以外にも、Haslea ostrearia及びその類縁藻のように牡蠣の蓄養に有用な珪藻類の簡易培養技術を確立することにより、フランスの「緑の牡蠣」のように蓄養による水産物のブランド化に有用である。ハスレア藻による牡蠣の蓄養技術の開発は国内
バイオリアクターによるヘマトコッカス藻類の大量培養では初めてである。また、アスタキサンチンを高生産する「紅いミドリムシ」を分離し、簡易培養技術を確立することにより、アスタキサンチンの生産コストの低減化に有用である。アスタキサンチンは近年、抗酸化物質として健康食品や化粧品の原料や、養殖魚の色揚げ色素として商業利用されている。アスタキサンチンを生産する藻類としてはヘマトコッカス藻が代表的であるが、ヘマトコッカス藻は頑健な細胞壁をもつため、ヘマトコッカス藻バイオマスからのアスタキサンチン抽出には高いコストがかかっている。「紅いミドリムシ」は細胞壁を持たないため、アスタキサンチン抽出を低コストで行うことが可能になる。「紅いミドリムシ」の分離培養も国内では例がない。

 

食料

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海の最大なる一次生産者である微細藻類は、すべての食物網を支えている。当社は特定の水産物に合わせた水産飼料の「レシピ」開発を元に、持続可能な未来型水産業に力を注ぎます。

 

環境

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赤潮による養殖魚やノリの死滅は、水産業において大きな被害を及ぼしています。赤潮が発生する原因は、これまで多く研究されました。しかし、その発生を予測するには、未だ知恵が足りていません。当社は、各々の微細藻類を単独培養する技術を元に、種ごとの成長データを正確に記録し、自然界のモニタリングを比較することで赤潮などの微細藻類過剰繁殖を正しく予測し、養殖業の損害を最小限にすることを目標としています。

工業

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珪藻の殻はガラス(二酸化ケイ素)からできて、素敵な輝きをしている。この構造を細部まで観察すると、幾何学的に規則正しい構造を取っている。これらの摩訶不思議な構造は,時に人類が現時点で持つ最先端の技術を駆使しても作れない。我々は珪藻殻の構造を解明することを事業の一つとし、工業用機能材料の鋳型としてモデルやアイデアを提供し、材料科学に画期的な応用展開を図る。