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研究活動

2019.02.23

NOMの会

【第3回】樹木を食べるヤマトシジミ—無脊椎動物に秘めた力

米を噛んだら甘味を感じるが、葉っぱを噛んだら甘味を感じる人はいないでしょう。それはなぜでしょうか?
鼻をかむティッシュ、メモを書くノート、牛乳を入れる滅菌パック、コーヒーを置く木のテーブルから毎日弄った携帯のスクリーンまで、人は樹木から作った物を多く利用していますが、樹木を食料としないことは世界共通である。地球上のほとんどの有機物の源が植物の光合成で作られた「単糖(ブドウ糖)」である。植物によって割合が異なりますが、その単糖の多くが植物細胞壁の主成分であるセルロースと呼ばれる「難分解性多糖類」になります。噛んでも甘味が出ないので非常に残念です。
セルロース(落ち葉や倒木をイメージしてください※)を分解できる生き物として、バクテリアやカビのような微生物がよく知られていますが、動物にもできるものが存在するのでしょうか?シロアリ?ゴキブリ?シジミ?魚?ひつじ?ベジテリア?これらの動物は本当に自分でセルロースを分解しているのでしょうか?それとも腸内に共生する微生物の力を借りているでしょうか?
今回は難分解性多糖類分解能の視点から、人のような脊椎動物ができない、無脊椎動物の不思議な力をご紹介いたします。また、これらの生物が多く生息する干潟等の湿地帯生態についてお話いたします。
※葉や木にはセルロース以外の多糖類も存在する。

劉 文【京都大学地球環境学堂 特定助教、SeedBank 外部顧問】
主な研究テーマ
1.無脊椎動物のセルラーゼ
2.湿地帯の環境学
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