2021.01.16
NOMの会
【第11回】渦鞭毛藻シストの生物学と古生物学(オンライン開催)
渦鞭毛藻シストとはプランクトンの一員である渦鞭毛藻の一部の種が生活史の中で形成する休眠細胞のことである.環境変化―例えば水温変化,栄養塩欠乏―によってプランクトン細胞の増殖が不可能な状況に陥ったとき,種保存本能に従って有性生殖を行い,不適切な環境を乗り越えるために休眠細胞(シスト)を形成すると考えられている.シストは耐久性がある細胞壁を備えていることにより堆積物にも長期間保存され,化石となる.今回の話題提供では,1)シスト細胞壁の化学組成とシスト形態の多様性,2)化石渦鞭毛藻の史的分布変化と生物多様性ホットスポットの形成,3)人新世(Anthropocene)の提唱とシスト研究,について紹介する.
松岡 數充
長崎大学名誉教授,SeedBank顧問,大阪自然史博物館外来研究員.1970年に化石渦鞭毛藻に関する学術論文を公表して以来,現在まで渦鞭毛藻シストの様々なテーマについて細々と研究を進めている.
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松岡 數充
長崎大学名誉教授,SeedBank顧問,大阪自然史博物館外来研究員.1970年に化石渦鞭毛藻に関する学術論文を公表して以来,現在まで渦鞭毛藻シストの様々なテーマについて細々と研究を進めている.